2011年12月29日 (木)

北石さんの印鑑。

Rimg35252 Rimg35255 Rimg35257 17年前、表参道の路上で雅印を彫っていた北石さんという中国人が居て、その篆刻技術と完成までの速さに圧倒され、幾度と訪れては立ち止まって見ていたのです。しばらくして、北石さんは中国硯や朱肉から骨董品を本土から輸入し、それが中華レストランのオーナーの目に留まり、あっという間に中国雑貨店を出すまでになりました。その後、北石さんの店で中国の画材や便箋・封筒を買っているうちに、北石さんから突然贈られたのが、この印鑑です。3センチ四方の象牙製のみごとなもので、上に吉祥をもたらす想像上の動物が鎮座してますが、肝心な篆刻文の意味を書いてくれた紙がどうしても見つからず、使いたくとも、この意味を理解してなければどうしようもないのであります。北石さんは中国に戻り、いわゆる大実業家として一家を成されているようですから、この印鑑も開運招福の記念として、抽斗の中にそっと寝かせています。

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2011年12月13日 (火)

燐寸がお洒落だった頃。

Rimg34785 Rimg34783 今ではタバコの香りがするだけで嫌気がしてしまいますが、40歳代前半まではヘビースモーカーでした。仕事柄、毎日オリジナル商品やメーカーの売込にバイヤーと同席して見解を述べたり、宣伝媒体の打合せなどと、頭の切替も容易ではありませんでしたから、どうしても「ちょっと一服」に頼ってしまいがちでした。現在も、百貨店人に禁煙比率が低いと揶揄されるのは、このような日々の多面的対応・折衝が多いからに違いないのです。

さて、このような美しい経年変化を魅せる燐寸と樹脂の箱が今年の春先、青山の裏通りの骨董市で売られていました。今さら燐寸など、仏壇でもライターの時代ですから、縁もないのですが、この燐寸軸の退色気配にグッと来てしまったのです。家人にも「何で必要もないのに!!!」と一掃され、鋭い眼差しを浴びるにつけ、感性の違いを独り耐え抜くのであります。

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2011年7月27日 (水)

のびのびした皿。

Rimg37329 昨今のオーガニック流行をはじめ、巷のトレンドが、美・健康・知にシフトし過ぎな感がありますが、この流れは今後も伸びることはあっても、減ることなど考えられない状況があります。日常生活の何処を切り捨て、何処を豊かにするかなど、それぞれの家庭のありようと対照しながら試行錯誤していくのが、あるべき姿とはいえ、この情報社会では目に触れる頻度の高いものを選択しがちですから、個人の思考力さえも、減少化しているのかも知れません。

さて、突然にこの皿です。いわゆる民芸系の教科書のような風姿ですが、皿ぜんたいの造形と施されたスピーディーな筆さばきの絵付けがみごとな調和を醸し出しています。黒釉薬と茶釉薬との組合せは甕や壺に観られる民衆の生活品の色調ですが、この皿はその組合せを一段と高い感性にまで昇華していて、気持ち良いですね。この大皿(45センチ径)の堂々としたスケールとダイナミックさは最近の個食中心の品揃え売場では見られない趣きなものです。

三代、四代と揃った大家族が食事していた遠い農業中心時代の名残が、この意匠からも読み取れ、新鮮な食材をそのままどーんと盛り込んだ姿こそが、この大皿を最も美しく見せてくれますね。

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2011年6月27日 (月)

暑くとも我慢!!!。

Rimg35767 急激に気温が上がり、7時前から銀輪疾走を愉しんでいたのですが、8時過ぎには温かい風が体の周りに巻きつくようになり、この気持ち悪さは他では味わえない、自転車乗りだけの感覚です。9時過ぎに家に戻り、シャワーを浴びてから、溜まりだした雑誌の整理と解体を始めると、見逃している部分の多いことに唖然とし、一冊一冊の処理に時間がかかり過ぎて、一向に整理に入れません。
その雑誌の中に、所ジョージさんの所有するアロハシャツのコレクション写真があって、そのデフォルメ柄の多さに彼独特の美的感覚の鋭さが反映され、思わず感心してしまうのであります。この写真のものなど、ハワイアンフレーバー満載で、嬉しくなりますし、ターコイズブルーとレンガ色のコントラストが素晴らしいですね。

さて、夏場になるとファストファッション業界がリードする新素材のシャツが主流になってしまい、このアナログ柄のレーヨン素材なども快適さでは負けてしまいますが、優雅な夕涼み風情としては数段上でありますね。、

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2011年6月23日 (木)

Martinが来た・・・。

Rimg35410 右手の、28年使っているGallagherギター http://www.gallagherguitar.com/ は、ドック・ワトソン http://www.youtube.com/watch?v=DUzVUNJKiDc が持っていたことに憧れ、黒澤楽器で購入したのですが、当時から人気もなく、店内の片隅に追いやられ不当な扱いをされていました。購入して2年ほどは、シャリ感のある音が気になってましたが、その後、絃をジョン・ピアース http://www.acoustic-jp.com/johnpearse/top.htm に変えると、相性が良かったのか、音質がすっかり変り、カラッとしたストレートなものになりました。さすがに、30年近く経過し、経年劣化も其処彼処に表れ、リペアーすることを考えていた矢先、ブリッジ部分が具合悪くなり、弾くに耐えない状態となってしまいました。

そんなとき、ある方から左手のMartin SOM 45 http://www.youtube.com/watch?v=6ptGf5dXhIE を御貸しいただくこととなり、暫しの間、その極上な音色に酔いしれています。全く対極な音色で、ライトゲージの絃といえども、軽いながら深みのある音色は正に、Martin Guitar http://www.mguitar.com/ の独壇場なのであります。ギターを二台も並べていると、つまらない室内装飾品よりも俄然、空間に文化の薫りが漂ってきて、毎朝起きてこの部屋を開けるのが愉しみなのであります。

ついでといっては何ですが、Martin Guitarの工場見学をされた方のHPが詳細なギター作り情報を伝えてくれていますので・・・。http://www.woodman.co.jp/topix/20081120/index.html

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2011年6月21日 (火)

IDEEのパナマ帽。

Rimg36793 この夏も昨年以上に暑いと噂され、その上、節電に伴う冷房の自粛などなど・・・、都市生活の醍醐味であった快適な空調生活も、ダウンサイジングを余儀なくされていますから、せめて、格好だけでも戦前の伊達男風を気取ってみるのも一考に値するかもしれませんね・・・。
3年ほど前から、IDEEが立夏頃になると販売展開するこのパナマ帽。スタイリングの良さもさることながら、お値段が驚愕の¥3,990と大納得品なのです。ツバ部分のサイズがさまざまですからテンガロンハット風あり、ソフトハット風ありと、ご自分の好みに合わせられるのも嬉しいですね。お値段からして、ロングライフ商品とはいえませんが、せめてこの涼しげな帽子でも被り町を散策し、永井荷風を気取ってみるのも洒落てますね。

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2011年4月12日 (火)

これがあると気分良好・・・。

Rimg35420 ある年代を越えると、それまで気にしなくて済んでいたことが、突然不自由になってしまい、イライラすることも多いのであります。例えば、文庫本をめくるのが難しくなり、ついつい指をなめてしまうとか、ギターのポジショニングがピタッと決まらなくなるとか、ワイシャツのボタンがなかなかはまらないとか・・・、皆さんも他に、おありでしょう・・・。そうなんです、手先の脂分がなくなってしまうことは、日々の生活で困惑することがきわめて多いのです。

しばらくはそのまま我慢していたのですが、2年前、ある雑誌に「男性も朝にハンドクリームなどを塗ると、毎日が気分よくスタートできる」という趣旨の松浦弥太郎さんの一文があり、すぐさま銀座・松屋に飛び込んで購入したのが、Aesopのボディバームという商品です。ハンド専用ではありませんが、柑橘系の薫りは早朝から気分を落ち着かせてくれますし、手先に満遍なく摩りこんでいると、手全体がストレッチされ、ウオーミングアップとしての効果も絶大なのです。手紙を書くにも、朝は手先が硬直していることもあって、スラスラというわけにもいかなかったのですが、この儀式を始めてからは、実に快調なのです。もちろん、手紙に添える水彩画にも具合良し・・・。

つい最近、これまで使っていたも明るいグリーンのパッケージが替わり、ぐっとアーミーサプライらしいカーキ色と、男っぽくなったのが嬉しく、またもや、買ってしまったのです。ちょっと目には銃やジープの専用グリースと見えないこともない雰囲気は、普段からカバンに忍ばせておいても、周囲の眼も気にならずナイスなパッケージです。スキンケア業界も男性マーケットの伸びが顕著ということで、メンズ仕様のデザインも多いのですが、これだけ男っぽいチューブのデザインは秀逸であります。

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2011年4月 4日 (月)

 鉛筆あれやこれや。

Rimg35251 「思考を紙の上でかたちにするにも、元の思考力が散漫になっているのは、机上の整理整頓をしてないからだ・・・」、などと自問自答し、午前中に散らかした進行中の企画アイディアをスクラップ整理し、スッキリしたあと、筆記具・絵具などで汚れたテーブル(このテーブルは1985年に、縁あって展示品を買い取るハメとなった、アキッレ・カスティリオーニがデザインのザノッタ社製・レオナルドという大きな作業台です。)を激オチクンで一掃。さらにスッキリして見違えるようになり、まるで新年を迎えるような気分であります。

何も無く、真っ白な更地状態のテーブルで日頃愛用の鉛筆を削っていると、何となく心も穏やかとなって、思考も整理されるような気分となってきます。ラジオをつけ、大沢悠里の悠々ワイドを聴きながら、この番組構成の秀逸性に頷きながら、人気コーナー「毒蝮三太夫」が始まると聞き入ってしまい、街角の60歳代以上の皆さんの硬軟織り交ぜての放談に笑いっぱなしであります。

鉛筆はその長さによって、使い勝手、とくにストロークや細部の書き込みのニュアンスが変るのですが、この画像くらいの長さが私にはベストサイズなのです。しかし、同じHBでも各メーカーの硬度と濃度が全く異なるのは何故かということに拘っていた時機がありましたが、今ではそんな些細なことなど気にせず、成り行き次第で決めています。因みに、赤と緑は夫々、スワンスタビロ・べロールの25年前に買い溜めしたデッドストックで、独特な味わいと国産にはない、いい加減さが生み出す擦れタッチが、却って、素材感表現に適しているのです。青は最近のステッドラー・ルモグラフ、コピーしたときの鮮やかさがみごとです。小豆色はご存知の三菱ユニであります。ハイユニもでていますが、やはりこの柔らかさは思考がまとまらない時にイジイジ・ウジウジしながらイメージを書き込むには絶対なのであります。

ここ数年、鉛筆にかんしてはB一本やりであります。

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2011年3月23日 (水)

またまた、戻ってきた・・・。

Rimg34901 Rimg34900 この40年近いメンズファッション界も1970年代の背伸びファッション、1980年代の狂乱ファッション、1990年代のブランドファッション、2000年代からの節約・リサイクルファッションなどなど目まぐるしく移り変わりましたが、結局根強かったのが、トラッド・アイビーを根っこにした健全感覚だったのです。フリーマーケットでもダントツの人気は、例えば丈夫なアウター、その中でもスタジアムジャンパーのロゴ入りなどからインナー機能も抜群なちょっと昔のT.Shirtsなどなど、その人気は昔と変らないのであります。まあ、トラッド・アイビー系のデザインは時代に埋もれることなく、ある種の普遍的平凡さが、いつの時代にも受け入れられる・・・、といったことなのでしょう。

さて、今年の春の訪れがずいぶんと後ずさりしているものの、店頭には春を待ち焦がれるメッセージとして健康的なスタイルがウインドーを飾っています。よく見れば、1970年代のプレッピーそのものを今の時代性のフィルターでリファインされています。これはといったお店は何処も健全に洗練された商品が前面に登場し、この数年間メガトレンドとなっていた、ラギッドで荒々しい素材や仕様が薄れてきたのでしょうか。1960年代の建築家やデザイナーが挙って締めていたボウタイなども其処彼処で見られるものの、ポップで明るいデザインが少ないのでがっかりしていた中、キャットストリートの一軒には鮮やかなスカーレットレーキ色のドット柄が、今風のテーストとコーディネートで輝いていました。

暖かくなる4月から5月にかけては、久しぶりに明るいファッションの若者が増え、町も明るさを取り戻しそうであります。明るく元気に賢くならなければ話にならないのであります。

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